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いや、まぁ…題名の通りですよ
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三年後。

彼らは高校生と同じ学年だが、学校はもうない。

それぞれの道を歩み出す決意をした。

北山、明道、白井、町田、水戸、田村、源、南谷、本田はサンクリーに配属。
だが、加藤だけはどこかへと消えていった。

サンクリーの施設は、政府側の意志により(半ば強引な方法で)、隔離されていた。
しかし、能力者が多数いるサンクリーには、政府側も手が出せない状態で困っていた。
だが、ついに政府側が動き、サンクリー本部に襲撃。
サンクリー側は迎え撃ち、見事これを撃退。
しかしサンクリー側も代償はあり、4分の1の人員を失った。
同時に、サンクリーと政府側との戦いで、地面に大きな亀裂が生じ、日本がサンクリーの場所(孤島)と政府側(本土)に区分された。そしてその亀裂は、アビリティ・フォース能力者にも被害が及び、日本にいるアビリティ・フォース能力者の全てが、何か「特定の物」を媒体にするのではなく、「何でもいいから物質そのもの」を媒体にして発動できるようになった。

Sクラス能力者の所在・生死は未だ一切不明。

そして、本土と離反された孤島を、人は

「スペア・フィールド【余分な場所】」と呼んだ。

この事件があったためか、サンクリーから抜ける者も多数いて、サンクリーと離反した者達を区別する【国境】の様なものが作られた。
サンクリーから離反した者を、後に【ネイティブ】と呼ぶ。

アビリティ・フォースを使える者を、「アビリティ・フォーサー」または「フォーサー」と呼ぶようにもなった。
サンクリーは、ネイティブフォーサーの悪事が肥大化してきたため、ネイティブを抑制する役割を担う様になった。

サンクリーは、本土にいる能力者を集めるため、飛行機施設も整えた。
そして、本土、サンクリー、ネイティブによる、三局の戦いが繰り広げられようとしていた。



――――――そして、そのさらに二年後―――――――

真夜中。
機械が歩く音。

重機の動作音。
そして高らかな笑い声。

「ハッハッハ!ネイティブ最強のガフ様が来てやったぜ!全員俺にはいつくばれやあ!」
彼はガフ。ネイティブ最強と言っているが、ただの太った奴だ。
ただ、能力を使い、手下を従えている。

「あーあーうるせえうるせえ。真夜中に大声だしてんじゃねえよ。近所迷惑だろうが。」

「まあそういうなって元基。コイツ倒せば報酬の金もらえるんだからよ。」
「そうだな。」

「おい?誰だ今俺の話を無視して話を進めた奴は!?」
「無視してはいないさ。ただ、お前みたいなデブの話なんて聞く気が起きないがな。なあ三平(みひら)、こいつ倒してほんとに金もらえんのか?こんな小物で。」
「大丈夫だって!俺を信じろ!」
「誰が小物だあああああああ!!!!!!」
そういってガフは自身が乗っている機械を使い、コブシで攻撃してくる。何とも単調だ。
「そうか。すまん、そんなにデブなのに小物と言っては悪かった。」
そういって、元基と呼ばれていた彼は地面を削り、それを媒体に能力を出す。
「コイツが俺の剣だ。」
「そんなチンケなもので俺の機械を壊せるかあああ!!!」
「さあ、どうだかな。
『サンダー・ソウル・オブ・デストロイ』!!」
彼の剣から雷が生じ、一瞬にして能力者・能力共に相手を黒こげにした。
「お前とは、重ねてきた歳月が違うんだよ。」

「まさか…あいつ…雷のゲンキ?!」
部下の一人が口を開く。
「そんな…サンクリーとネイティブのうち、サンクリーは当然だがネイティブなのにネイティブ狩りをしているって言う…?」
「説明くさい台詞をありがとう。だがそんなに有名だったか?俺。」
「なんじゃないの?」
「で?お前らはどうすんの?」
「ひ、ひいいいいい!あんなのに勝てるわけねえよ~!」
部下共は逃げ帰り、ガフはその場で捕縛。
「やっべえ、あんまり長居するとサンクリー来るぜ、元基。」
「そうだな三平、車で送ってくれ。」

――その頃、サンクリーでは――
「またネイティブフォーサーか…」
髪が長く、たばこを吸っている男がしゃべる。
「仕方ないですよ。奴らは秩序も何も無いんですから。」
赤髪で、おでこにバンダナを巻いている17~18歳くらいの男が言う。
「出動…してくれる?北山君。愛ちゃんと二人で。」
ピンク色の髪の、髪留めをしている女が言う。
「いいですけど…なんで水戸となんですか?サキさん。」
「いやいや、なんとなく……ね♪」
サキはほほえみながら言った。
「いいから早く行ってこい!」
たばこを吸っている男が言った。
「わかりましたよ。斎藤 隊 長 。」
――
「水戸、出動命令だ。サキさんから。」
「誰が?」
ピンク色の髪をして、少し長めの髪の、北山と同じくらいの年齢の女が言った。
「俺とお前。」
「……わかった。準備するわ。」
「その間はなんだ;」
「いいじゃない、なんでも。あなたも準備しなさいよね。」
「俺はいつでも準備万全だ。」
「そ。じゃあ入り口で待っててくれる?あ、隠れたりとかしちゃダメだからね!」
「なんで18にもなってかくれんぼせないかんのだ。」

――
「…相変わらずこっちの方はひどい荒れ様だな…サンクリー側とは大違いだ。」
「そうね…」

「ん?おい、ちょっと車とめてくれるか?」
北山は、車を運転している、能力を持っていない人間だが、武装をしている【プロテクト】と呼ばれる部隊に配属されている男に言った。
「どうしたの?」
水戸は聞いた。
「来てみればわかる。」

北山が言った方向に駆け寄る。
「ネイティブかぁ。しかもこれ捕縛されてる?」
「その様だ。ネイティブの中にもネイティブ狩りをする者がいるらしいな…」

――
「ネイティブフォーサーは見つけられませんでしたが、我々以外にもネイティブ狩りをしている者がいることが判明いたしました。」
「そうか……」
「どうかした?」
サキが斎藤に聞く。
「いや、そのネイティブ狩りをしている者が何者か、という話なのだが………まあ、今から急いでもしょうがないだろう。お疲れさん二人とも今日は休んで良いぞ。」
「ふう、久々の休暇!」
「健人、何か市街においしいもの食べに行かない?」
「オッケー、じゃあまた後で。」

―――

「今日は俺の出番なしか……」
遠い夜空を見上げてつぶやくキモロン毛。
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未来「えーまぁ相葉がいなくなったので私がやらせていただきます。まだ授業残っていたようなので。」

北山「じゃあサキさん、今日は余分の話って事ですよね?」
未来「そう。あの学校は、一年の一学期の壱日目に全て終わらせてから残りは実習だったから。相葉がサンクリーに来たおかげでやれなくなったのね。もぉ…」

加藤「作者の『区切りが悪いから10話で次に進もう』っていう勝手な見解とかじゃなくてですか?」
未来「まぁ…当たらずとも遠からずってとこじゃないかしら?」

未来「で…ランクまで説明したわね…確か。あ、能力限界値がわからないって言ってたわよね。」
明道「そうなんです。それって何なんですか?」
未来「簡単に言うと自分が引き出せる力の限界のパーセンテージってところね。誰もが100の素質は持っているけど、それを引き出せるのはSクラス能力者のみっていわれてる。80いけば上出来。私なんてまだ70なんだもん。」
水戸「属性と武器は何か関係があるんですか?」
未来「もちろん有るわよ。武器にも属性が有るわよね。たとえば、愛ちゃんのオーブ。それは水属性で有れば、属性と武器の相性が良いのよ。相性がいいと、能力限界に達したときの効果が大きく現れるわ。」
水戸「あ、水属性です。」
未来「そうなの?まぁ、水属性以外にも相性のいいのは存在していて、風のクリスタル、雷のイヤリング、炎の指輪、光のネックレス、闇の腕輪…っていう感じにね。」

源「サキさん、サンクリーではSクラスの能力者の名前とかってわからないんですか?」
未来「わかるんだけど…機密事項だし…それに…」
田村「それに?」
未来「うん……言っちゃダメな気がするのよねぇ…」
明道「言ってくださいよ。」
未来「ここだけの秘密…だからね。まず、ちゃんとした名前がわかっているのは3人。春山焔(はるやまほむら)、石川丈(いしかわじょう)、それに…相葉裕次。」

全員「…………ええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!???????」

北山「ちょっ相葉先生っ」
加藤「マテマテマテマテ」
水戸「聞いてないって!」
白井「……すごい」

未来「まぁそういう反応するのも想像がついたわ。残り二人ね。この二人はコードネームで呼ばれてる。『光の劉』、『闇のカズマ』。この五人が現在のSクラス能力者。」

北山「まさかの先生だよ…」

南谷「まあ想像はしてたけどね…」

田村「あ、そうだ。サキさん先生のことどう思ってるんですか?」
未来「へ?」
田村「ほら、好きだーとか…」
未来「誰があんな適当男!…嫌いじゃ無いけどね。」
水戸「あー!じゃぁ好きなんだ!」
未来「違うわよ!断じて違うわよ!」

そんなのどかな…相葉との別れを忘れさせるような一日。

「………というわけで、この学校が政府から狙われてしまう。サンクリーは解体はしないそうだが、警察署に残っているわけにもいかないだろう。おそらくは別の場所でレジスタンス活動か何かを始めると思う。」
校長が話す。

誰かが聞く。
「先生、この学校で迎え撃つということはできないのですか?」
校長が答える。
「Sクラスが何人もいれば別だが、この学校にはいかんせん一人しかSクラスの人がいない。たとえ能力者であっても政府側の能力者がいるらしいから、無理だろう。」
「それじゃあ俺たちはどうなるんだ?路頭に迷えというのか。」
「あーそれは……」
校長が答えそうになったとき、

「うるせえ!!!」
相葉の一喝である。
「校長、ここからは俺が。」
「いや、しかしね…」
「不服…だとでも?」
「……わかった、任せよう。」
「よし、ここから先は俺が話そう。お前らの今後。そして俺たち能力者の今後について。」
全員が息をのむ。
「基本的には自由で構わない。サンクリーにはお前達を収容する施設を設けてある。Sクラスの能力者5人は、今もどこにいるかわからない。この学校には一人だが、それぞれ個々に活動をしている。旅をしている者、サンクリーにいる者、などなど…だ。不安であればずっとサンクリーの施設内にいるもよし、旅に出るもよし。各々自分が思うように動け。こちらからは以上だ。ちなみに、サンクリー行きのバスは出してある。防御付きでな。」

全員が静まりかえる。
1年A組の全員は、とりあえずサンクリーの施設内に入ることにした。相葉も同伴した。
そして相葉は言う。
「お前達と俺は、今後は先生・生徒の関係ではない。だが、今までその関係だったことにかわりはない。俺はまもなくこの施設を離れ、Sクラス能力者を探しに行く。着いては来るな。それだけだ。」
「先生、あんたずりいよ……」
南谷が言う。
「結局一回も戦えなかった……って訳か」
北山が言う。
「…………お前達、携帯は持っているか?」
全員が携帯を見せる。
「全員、俺にメールアドレスを教えろ。何に使うと言うわけではない。俺がこの施設から出て行ったときに、全員に一斉送信を行う。ま、俺からの餞別ってやつだ。そしてその後、俺から一人一人にメッセージを送る。」
全員が携帯のアドレスを教える。

「運命と未来は、違うんだ。運命は変えられないが、未来は変えられる。そして、未来を変えるのは誰でもないお前ら自身。わかったな。お前達はこの絶望的な状況から、未来を変えろ。このまま行けば、日本、いや世界が、絶望的な状況になってしまう。そんな日本を救うために、俺たちはいる。俺に何か質問したいこととかが有れば、いつでもするがいい。答えてやるさ…」

そういって、相葉は去っていった。

そして相葉が去った5分後、全員にこの内容のメールが送信された。

『お前達はたとえるなら自然だ。自分の中の信念を持ち続ける風。希望の中の光。勇気という名の道を切り開く炎。誰よりも早く、誰よりも強く有りたいと思い続ける雷。時に静まり、時に怒り、時に笑い、そして常に同じ様相を見せる水。自分の心を暗く閉ざしながらも自分はこうありたいと願う闇。それぞれの思いと信念を、自分の生き様にして、次会ったときに見せてくれよ。』

全員は、このメールを見て、泣き出した者もいれば、だまり続け、何かを思った者もいる。

『明道へ。お前は明るい奴なんだから、もっと周りを明るくしてみせろ。属性は個々の特性によって決まる。属性が変わることもあるんだぜ。』
『加藤へ。北山とは仲良くしてやれよ。それと、もっと表の感情も出そうぜ。』
『北山へ。お前は強くなれる。しかし、その強さが悪い方向に向かわないと信じているぜ。』
『白井へ。もっと明るく振る舞えよ。お前は少し自身がなさ過ぎだ。自分に自信を持て。』
『田村へ。そのネックレスは、大切にしておけよ。』
『本田へ。眼鏡をとったら新しい世界が見えるとおもわねえか?』
『町田へ。もっとしゃべれ。』
『水戸へ。お前は責任感を持ちすぎだ。もっと楽に生きて良いんだ。』
『  源へ。お前の明るさは、きっと世界を照らせるはずだ。』
『南谷へ。もっと感情を表に出せ。』


というメールが、その15分後に個々へ送られた。
そして、水戸が口を開いた。
「先生の……馬鹿……」



校長がいつになく真剣な顔で、
朝礼台に立っている。

一年A組の全員は、暗そうな顔をしている。町田実は元々暗そうな顔だが。
それもそうだろう。校長が話そうとしていることの一部始終を知っているのだから。

校長が話し始めた。
「とりあえず、率直に結論から話そう。今日より、我が学校は閉鎖とする。」
全員がざわめきだした。
1年A組の十人が学校へ戻る前に、こんな事があった。

―――――

「サキさんは彼氏とかいるんですか~?」
源が聞く。
「今は…いないわよ?」
「いそうな感じするなぁ~、じゃあ好きな人とかは?」
「いないってば!もぉ…」

こんな楽しそうな会話をよそに、恐怖は迫ってきていた。

その頃、相葉は斎藤の元を離れ、帰路にいた。
「ふう…急がないとな。久々に能力使って帰ってみるか。」

その恐怖は、全員を乗せたバスへと舞い降りた。
バスの目の前に、大柄の男が立ち、黄色い光を出した。その能力は、巨大な鈍器を持った召還型の能力で、道をふさいだ。

その男は、今度はバスめがけ鈍器を振り下ろした。
とっさに運転手がハンドルを切ったおかげで直撃は免れたが、負傷した者も何人かいる。
サキも片足に怪我をしている。バスのガラスにやられたようだ。
「何あなた!どうしてこんな事をするの?」

男は答えない。その代わりに、もう一度鈍器を振り上げ、振り下ろした。
サキは思った。
(誰か助けて!)

その瞬間、目の前に立っていたのは、紛れもなく相葉である。そして、片方の刀で男の鈍器を止めながら言った。
「おい……俺の生徒に何してくれてんだ?」
男はまた答えない。
「サキ。お前の能力で、怪我した者の治癒を。」
「先生、俺も戦う!」
「俺もだ。不意打ちを食らって悔しさでいっぱいだ。」
北山と加藤が叫ぶ。
「俺はコイツに話がある。お前達は見ていろ。……おい、貴様。何故こんな事をする?答えないのなら…吐かせてやる。」
男はにやりと笑った。
「政府からの命令でなぁ、お前らの存在が増えてきたから、学校やその他諸々のアビリティ・フォースに関連する全てを抹消するんだとよぉ。で、俺は政府に雇われて、高い金もらってお前らをつぶすって訳だ。政府にとってお前らの存在は邪魔以外の何者でもないらしいぜぇ?ひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!」
「べらべらとよくしゃべる奴だ。そうか。今の政府はだんだん腐ってきているな。で、お前ごときが俺を倒そうって言うのか?」
「じゃなきゃ何なんだ!俺はAクラス。お前のそのちんけな能力は高く見積もってもBってところだろう!舐めてんじゃないぜ。」
「貴様は物事の大きさのみで力や強さを測るか…」
「そらそうだろぉ!大きさこそ力。そして強さだ!」
「そうかい…」
そういうと相葉は、能力を発動した状態にも関わらず、青白い光を出した。そして、刀の柄と柄を合わせ、大きな光を発した。

「むっ?」
「久しぶりに見るわね……裕次の形態変化。」
「形態変化?何ですかそれ?」
北山が聞く。
「能力者の中でも数人しか使えない特異能力のことよ。見てればわかるわ。」
「はっ、そんなもの、発動させる前につぶせばいいんだよぉ!」
そういって男は鈍器を振り下ろす。
しかしそこに相葉の姿はない。

「遅すぎるぞ、貴様。」
相葉がいたのは、鈍器の上の部分である。
「馬鹿な…一瞬でそこまで移動したと?」
「これが俺の形態変化・壱だ。」
相葉が持っている武器は、柄が一つで、前と後ろの両方に刀が着いている武器である。魏延の武器を思い出すと楽だろう。
「貴様はやってはならないことを二つ犯した…一つめは、俺の仲間を傷つけたこと。もう一つは、俺の生徒に怪我をさせたことだ。どちらも犯してはならない罪…貴様の精神力の全てを砕いてやる!」
「う……おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
男の能力は、粉々に切り刻まれた。同時に、男の精神力が破壊され、放心状態となった。
「サキ。動けるか?それと、俺の生徒は…」
「大丈夫。全員治療したわ。私の能力、なんで自分は治療できないのかしらね。」
「動けないか…じゃあこのままあの男と一緒に抱えて連れて行くか。」
「ちょっちょっと!なんでそんな恥ずかしいこと……きゃぁ!やめなさいってば!」
「お前達は学校に戻れ。俺はお前達より早く着いているだろうが。この道をまっすぐ行って、二つめの十字路を右に曲がれば学校だ。」
「もぉ!もぉ!」
「牛みたいな声を出すな。全く…」
「牛じゃ無いわよ!」
相葉はサキの言うことも聞かず、生徒は放って言ってしまった。
現在の日本の警察には、フォースサーチャーと呼ばれる、
フォースアビリティの能力値をはかる機械がある。
最近ではその機械のシステムを応用し、能力値をはかるためのスコープを作っているらしい。

「ここが、警察内特別機関、サンクリーだ。」

「ほぇぇ~」
明道は感嘆の声を上げた。
「でも…いいんですか?勝手に学校抜け出して。」
水戸がいった。
「大丈夫、校長に許可はとってきてある。」
どうやら大丈夫なようだが、
おそらくは脅迫と同じ手口だろう。相葉は能力的にも優秀なので、やめさせる訳にはいかないのである。

「さっそく行くか?」

「はい!」
全員がいった。

「待っていたぞ、相葉。」
そういったのは、相葉の友人で、サンクリーの制服を着ている、前髪がものすごく長い男である。
「おう、久々だな、斎藤。」
彼の名前は斎藤盈(さいとうみつる)。相葉と同じ世代の学校卒業者だ。
「何年ぶりだ?結構経ったと思うが。」
「お前は相変わらず根暗そうだな。」
「性格はそう簡単にはかわらんさ。それより、お前は今教師をしているらしいな…そいつらが教え子…という訳か。」
「ま、そんなところだ。」
「学校時代お前はいろいろやらかして…」
「そんなことはあとだあと。フォースサーチャーを使わせてくれ。」
「今日はそれが目当てか…よし、いいだろう。」

――

フォースサーチャーを見た10人は、その大きさに圧倒された。

「でっか」
「何よこれ…」
「おおきい…」
「でかすぎだろいくらなんでも…」
などなど。

「さあ順番にやってみろ。」
「じゃあ俺いきます。」
そういったのは北山。

「先生、私たちくらいの年齢って、どれくらいが普通なんですか?」
田村が聞いた。
「そうだな…まあ、E~Cってところだろう。」

「ここに手を乗せて、力を発動するイメージ。やってみてくれ。」
斎藤が教えていた。
「こうかな…?」

【キタヤマケント 融合型 火 クラス B 年齢 13 能力限界値 90】
「えっと…これって?」
 
相葉と斎藤は驚いた表情をしている。それもそうだろう。この年齢でランクはBなのだから。

「先生、能力限界値って何ですか?」
源が聞いた。
「ああ、能力限界値ってのは、どれだけ能力限界を発動できるか、そのパーセンテージを表す。MAXは100だな。」
「この年齢でここまでとはな…先が楽しみだ。」
「どんどんやってみろ。」
【アケミチショウタロウ 武器型 風 クラス E 年齢 12 能力限界値 50】
【ミトアイ 武器型 水 クラス C 年齢 12 能力限界値 70】
【ホンダミサト 武器型 風 クラス D 年齢 12 能力限界値 60】
【マチダミノル 特殊型 闇 クラス C 年齢 12 能力限界値 65】
【シライカオル 武器型 水 クラス D 年齢 13 能力限界値 65】
【タムラユミ 武器型 風 クラス C 年齢 12 能力限界値 75】
【ミナモトミツキ 召還型 クラス C 年齢 12 能力限界値 80】
【ミナミタニカズキ 特殊型 クラス B 年齢 12 能力限界値 85】
【カトウゲンキ 武器型 クラス B 年齢 12 能力限界値 90】

「おいおい…お前のクラスすごいな。」
「俺もここまでとは思ってなかったさ。」

「先生はちなみにどれくらいですか?」
「おれは…」

【アイバユウジ 武器型 風 クラス A 年齢 27 能力限界値 95】
「こんなところだ。」
「すごいですね…」

「おっと、そろそろかえらなきゃな。」

「え~もう少し見学していたいですよ~」

「そうは言ってもな…一応、学校へのバスは出ている。お前達だけで帰れるか?」
「大丈夫です、先生。」
「……不安だから、サンクリーから一人つけてくれ。こいつらを見るだけだから、未来(さき)一人で十分だろ。」
「そうだな。」

「ちょっと、子守ってどういう事よ。」
「お前子供好きだろ。」
「そ、そんなことないってば!」
「じゃあよろしくな~」
「もぉ…あ、私、片平未来(さき)。よろしく。サキでいいわ。」
「よろしく、サキさん。」

相葉はバスを見送り、一息ついた。そして斎藤が話す。
「お前……加減したな?」
「まあな。」
「Sクラスの5人のうちの一人だと、伝えてないのか?」
「無論だ。まだ教えるわけにはいかないからな。」
「そのうち知ることになると思うが…まあお前がそれでいいならそれでいいのだろう。」


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プロフィール
HN:
あいぴー
年齢:
33
性別:
男性
誕生日:
1991/11/13
職業:
高校一年生
趣味:
何か
自己紹介:
暇なときに徒然に書いていきます
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