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「………というわけで、この学校が政府から狙われてしまう。サンクリーは解体はしないそうだが、警察署に残っているわけにもいかないだろう。おそらくは別の場所でレジスタンス活動か何かを始めると思う。」
校長が話す。
誰かが聞く。
「先生、この学校で迎え撃つということはできないのですか?」
校長が答える。
「Sクラスが何人もいれば別だが、この学校にはいかんせん一人しかSクラスの人がいない。たとえ能力者であっても政府側の能力者がいるらしいから、無理だろう。」
「それじゃあ俺たちはどうなるんだ?路頭に迷えというのか。」
「あーそれは……」
校長が答えそうになったとき、
「うるせえ!!!」
相葉の一喝である。
「校長、ここからは俺が。」
「いや、しかしね…」
「不服…だとでも?」
「……わかった、任せよう。」
「よし、ここから先は俺が話そう。お前らの今後。そして俺たち能力者の今後について。」
全員が息をのむ。
「基本的には自由で構わない。サンクリーにはお前達を収容する施設を設けてある。Sクラスの能力者5人は、今もどこにいるかわからない。この学校には一人だが、それぞれ個々に活動をしている。旅をしている者、サンクリーにいる者、などなど…だ。不安であればずっとサンクリーの施設内にいるもよし、旅に出るもよし。各々自分が思うように動け。こちらからは以上だ。ちなみに、サンクリー行きのバスは出してある。防御付きでな。」
全員が静まりかえる。
1年A組の全員は、とりあえずサンクリーの施設内に入ることにした。相葉も同伴した。
そして相葉は言う。
「お前達と俺は、今後は先生・生徒の関係ではない。だが、今までその関係だったことにかわりはない。俺はまもなくこの施設を離れ、Sクラス能力者を探しに行く。着いては来るな。それだけだ。」
「先生、あんたずりいよ……」
南谷が言う。
「結局一回も戦えなかった……って訳か」
北山が言う。
「…………お前達、携帯は持っているか?」
全員が携帯を見せる。
「全員、俺にメールアドレスを教えろ。何に使うと言うわけではない。俺がこの施設から出て行ったときに、全員に一斉送信を行う。ま、俺からの餞別ってやつだ。そしてその後、俺から一人一人にメッセージを送る。」
全員が携帯のアドレスを教える。
「運命と未来は、違うんだ。運命は変えられないが、未来は変えられる。そして、未来を変えるのは誰でもないお前ら自身。わかったな。お前達はこの絶望的な状況から、未来を変えろ。このまま行けば、日本、いや世界が、絶望的な状況になってしまう。そんな日本を救うために、俺たちはいる。俺に何か質問したいこととかが有れば、いつでもするがいい。答えてやるさ…」
そういって、相葉は去っていった。
そして相葉が去った5分後、全員にこの内容のメールが送信された。
『お前達はたとえるなら自然だ。自分の中の信念を持ち続ける風。希望の中の光。勇気という名の道を切り開く炎。誰よりも早く、誰よりも強く有りたいと思い続ける雷。時に静まり、時に怒り、時に笑い、そして常に同じ様相を見せる水。自分の心を暗く閉ざしながらも自分はこうありたいと願う闇。それぞれの思いと信念を、自分の生き様にして、次会ったときに見せてくれよ。』
全員は、このメールを見て、泣き出した者もいれば、だまり続け、何かを思った者もいる。
『明道へ。お前は明るい奴なんだから、もっと周りを明るくしてみせろ。属性は個々の特性によって決まる。属性が変わることもあるんだぜ。』
『加藤へ。北山とは仲良くしてやれよ。それと、もっと表の感情も出そうぜ。』
『北山へ。お前は強くなれる。しかし、その強さが悪い方向に向かわないと信じているぜ。』
『白井へ。もっと明るく振る舞えよ。お前は少し自身がなさ過ぎだ。自分に自信を持て。』
『田村へ。そのネックレスは、大切にしておけよ。』
『本田へ。眼鏡をとったら新しい世界が見えるとおもわねえか?』
『町田へ。もっとしゃべれ。』
『水戸へ。お前は責任感を持ちすぎだ。もっと楽に生きて良いんだ。』
『 源へ。お前の明るさは、きっと世界を照らせるはずだ。』
『南谷へ。もっと感情を表に出せ。』
というメールが、その15分後に個々へ送られた。
そして、水戸が口を開いた。
「先生の……馬鹿……」
どうしようwwwwwwwwwwww
だれか助けてくれwwwwwwwwwwwwww